日焼けした法衣の色修正
お寺様より日焼けした法衣の色が何とかならないかと承りました。
青緑の法衣は全体に日焼けをしているもののひどいところは
肩と襟元、ひだの両脇部分です。
青緑が黄色く日焼けしておりましたので
そこに青(新橋色)を吹きかけ黄色が目立たなくしていきます。
最初に衿部分を筆にて修正しその後肩など日焼けの濃い部分から修正します。
肩の濃い部分が平たくなると今度は他の部分の日焼けが目立ってきます。
元には戻りませんが だいたい目立たなくなるまで色を吹き付けますが
この作業は終わり無き作業となるためにどこかできりを付けないといけません。
ぱっと見で日焼けが大きく目立たなくなりましたのでこの辺で終了です。
もう一方の紫の法衣の日焼けはひどくこれを修正することは不可能と判断し
襟元の部分のみ色を入れ終わりました。
こうなると元には戻りません。
特に紫系の色はよく日焼けが起こります。
これは青い色が紫外線に弱く先に抜けてしまうからです。
今回の青緑の法衣は青が抜けると黄色味が強くなります。
紫の法衣は青が抜けると赤味が強くなります。それが進みすぎて色が褪せてしまったと考えられます。
色掛けはこの抜けた色を入れるとともに 残った色に何を足せば元の色になるかを考え修正していきます。
この記事へのコメントはありません。